ミスヒットとか、探し出される日記の数が多すぎるとか、コミュニケーションを促進しないとか、「ツールとして出来が悪いキーワード」が削除に回されることがある。一方、削除カテゴリからサルベージする(元に戻す)ユーザーは、そのキーワードの有益性を反対理由に挙げる。
ここで「削除」が必要かということをよく考えたい。私は、「ツールとして出来が悪いキーワード」は、「ツールとしての挙動を制限する」べきだと思う。
あまり好評でない番組があれば、放送をやめれば良く、VTRや企画案を廃棄する必要まではない。好評でないウェブサイトがあれば、更新や掲示板を停止すれば良く、サイトを消去する必要まではない。けれど現在のキーワード削除システムは、番組の中断がすなわち削除なのだ。
キーワード問題でゴタゴタが起こる理由はいろいろある。キーワードルールがきちんと知られていないこと、登録や編集のミス、悪意のある行動、いろいろある。
しかし、キーワードの仕組み自体に問題があり、無駄な議論が起こる根源に、このねじれた仕様があると思う。ツールとしてうまくいかないキーワードはリソースとして存在することも認めず、削除する決まりだ。
片付け好きと片付け嫌い、ツール派とリソース派が解決のない衝突を繰り返す源は、ここだと思う。私はこの部分をそのままにして、新ルールや複雑なシステムを導入するなら、表層的な対処であり、ズレていると思う。あまり最重要視している人はいないようなので、キーワードはツールかリソースかという所から長々書かせて頂いた。
解決の方向は、ふたつある。(ふたつだけ思いついた)
ひとつは、「キーワードはツールである」という発想のまま行く。変更はおそらくさほど困難ではなく、はてながモデレーションシステムでやりたかったことに近いはずだ。まず「自動リンクシステム的側面に問題がないことがキーワード存続の必須条件」というルールにする。システム的にはキーワードスコアで、一定値を切ったキーワードは「日記探しがうまくいっていない」と見なせるので、削除予定にする。値は(評議会同様)50程度でもいいかもしれない。たぶん大量のキーワードが削除予定に回るので、保全活動が活発化して中和されると思う。スコアが一定値を切るか切らないかでエキサイトする恐れはあるし、スコアのプラス評価を積極的に行わなければいけない手間がかかる。キーワード論争がスコア論争に転化するだけかもしれず、私は好きじゃない形だけれど、ユーザーみんなでひとつのツールを作るという視点から筋は通ると思う。
もうひとつは、キーワードのツール性とリソース性を認め、問題のあるキーワードの対処方法を分けて考えることだ。
- 「言葉として問題があるキーワードは、削除する」
- 「説明分に問題があるキーワードは、説明分を編集する」
- 「自動リンクシステム的側面に問題があるキーワードは、自動リンクシステム的側面の機能を停止する」
という方針をとる。
キーワードは、もしツールとしての振る舞いをやめれば、動物園のように存続コストがかかる代物ではない。ただはてなダイアリーのキーワード空間に留まっていれば良いのではないだろうか。「日記探しがうまくいっていない」キーワードは、日記探しや自動リンクなどの、キーワードとしての挙動を停止すれば良い。