おまえなんか、訳してやる!

どんどん一言で 訳していくサイトです。 今567語くらい。

よたよた反陽子

いたって真面目な記事ですが。

「よたよた」も「のろのろ」も極低温環境で反応性を鈍くした状態を指すようで、学術的に定着しそうな表現ではないかもしれませんが、それにしても日本語話者が名づけると、こういう表現もあり得るんだなあという。


<フォトン>………“光子”一般訳“電力子”おま訳

電磁気力を伝えるのが光子です。電気関係に限らず、物が他の物を押したり、物が燃えたり、化学反応が起きたり、筋肉を動かしたり、そういう日常的に感じる現象のほとんどは、元を正せば電磁気力によるもの、光子の受け渡しなんだそうです。

さすが宇宙を支配する4つの力のひとつなだけのことはあります。影響のでかさがハンパじゃありません……。

光というと一般には目に見える光のことだけを指すと思いますが、可視光は目に見えないX線などを含む電磁波の一部で、素粒子物理学などではしばしば光=電磁波を意味するようです。

だとしたら「電磁気力」のことを「光力」と言ったり、「光子」のことを「電磁気力子」と言ってもいいような気もするんですが、それは無しで。電磁気力を伝えるのが光子って、ややこしいと思うんですけどねえ。


<ウィークボソン>………“弱中間子”“弱力子”引用訳

「弱い力」というのは宇宙の最初の頃は電磁気力と同じだったものが、ヒッグス粒子に影響されるため質量を持ち、原子の中という非常に短い距離でのみ働く電磁気力と比べて非常に弱い力になったものだそうで、「電磁気力」と「弱い力」をまとめて「電弱力」とも言います。

私「weak force」というネーミングも「弱い力」と言う直訳も素晴らしいと思うんです。でも、それを伝える粒子が<ウィークボソン>だなんて! なに遠慮してるんですか!

それはあれでしょー、命名者がフォトン(光子)みたいに「weakon」て名付けてたら、「弱子」とか「弱力子」にできるところでしょ。しちゃいましょうよ、ねえ(政治力のある微笑みで)。

これはさらに電荷のあるWボソン電荷のないZボソンに分かれるのですが、おま訳は“荷電弱力子”と“中性弱力子”で。ZボソンのZの意味がさっぱり分かりません。


<グルーオン>………“膠着子”“強力子”“糊粒子”引用訳

「強い力」はクォーク同士を結びつける力。さらに陽子や中性子原子核に結びつける「核力」の元にもなる力だそうで、原子より大きな物質があるのは全部これのおかげ。電磁気力に比べてもべらぼうに強い力で、つまりあの「核エネルギー」の源泉です。

photonは光子なのに、gluonはグルーオン……なにやってるんですか!

直訳するとglue(糊)+onで「糊(のり)粒子」ですが、ほとんど使われていないそうです。

元の名前に義理立てする必要ないですよー。専門家はgluonで覚えればいいじゃない。もう強い力を媒介するってわかっちゃってるんですから、ここは“強力子”でいいじゃないすかー。も〜(政治力のあるスネ顔で)。


<グラビトン>………“重力子”一般訳

おなじみの重力。重力が「素粒子のやりとり」で働いているという考え方はあんまり馴染みが無いですが、量子化というのはそういうもんだそうです。

「gravity」が「重力」なので、直訳で「重力子」。この訳は<グラビトン>よりも使われているようです。まだ発見されてないのに! やっぱり直訳でうまく決まれば使われるんですね。


<ゲージ粒子>………“力の粒子”引用訳“力子”おま訳

以上の、力を伝える粒子を<ゲージ粒子>と言うそうです。中国語では「规范玻色子(規範ボソン)」など。

ゲージは物差しの意味なんですが、これは専門用語なので「物差し粒子」と訳す意味はあんまりないと思います。ゲージ理論ゲージ理論 - Wikipedia)を理解した人たちは、ゲージ場、ゲージ粒子と言う用語を使えばいいと思うわけです。私は理解できてませんが。

ただ4つの力をまとめて言う場合、一般向けの言葉として“力の粒子”といった呼称も用意されていたほうがいいと思うのです。「ゲージとは〜」という説明に踏み込まなくてよくなりますからね。

パソコンの素人が「OSってなに?」と専門家に聞いてしまうと、オペレーティングシステムに関する難解で不毛な説明に踏み込んでしまうけれど、「基本ソフト」と言われていれば、ああ「基本のソフトですね」と終われるのと同じです。