ホストの追記(訳に“親方”を追加)
まとまった文献には当たれなかったのですが、「ホスト」というのはインターネット誕生以前からある言葉で、最初は「ゲスト=ターミナル(端末)」で「端末の主人」を指していたようです。
『ホスト(端末の親分。今なら普通のコンピューター)』←→『ゲスト(ホストなしでは仕事にならない子分。たとえば列車の空席を調べたりする端末とか)』という親子関係。
英語のweb辞書で、「端末にデータベースを提供するコンピュータ」のようなことが書いてありました。つまり「コンピューター=ホスト」という呼び方はすごく古くて、歴史的にはこちらが正統のようです。ここから意味が分かれて
- (A)コンピューターを指す場合
- ホスト……コンピューターそのもの(A-1)
- ホスト……ネットワークにつながる機器全部(≒ノード)(A-2)
- (B)役割としてのホストを指す場合
- ホスト……端末にサービスを提供するコンピューター(B-1)
- ホスト……パソコンにサービスを提供する大型コンピューター(B-2)
- ホスト……ネットーワークサービスを提供するコンピューター(B-3)
さらにコンピューター一台がまるごと「ホスト役」に徹しているとも限らないので『一台のコンピューター内で、端末にサービスを提供している作業領域、ソフト』も指す、ややこしい状態。(多々誤表記のある文かと思いますが「ホスト」より難易度の高い言葉はなるべく使わない方針で。)
やめてほしいのは歴史的には正統な、Aの方。これが「ホスト名」「ホストアドレス」といった言葉に残っている。A-1は「コンピューター」、A-2は「ノード」に置き換わらないものかしら。
Bの「ホスト」はいろいろあっても全部「サービスを提供する主人」で、日常で使う意味での「ホスト」から連想できる。B-2の「ホスト」が知りたいのに、「A-2」の用語解説を見てしまったら、本当にわけがわからなくなる。今回は、上記すべての説明をしている大手web辞書がなかったので一言。
ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - ホスト http://yougo.ascii24.com/gh/68/006850.html
パソコン通信で中心となるコンピュータのこと。メニュー表示などの処理や、フォーラム、電子メールなど各種データの記録はホストコンピュータが行なっている。利用者はホストコンピュータにアクセスして、パソコン通信で提供されている各種サービスを利用する。【同】ホストコンピュータ
いきなりこんなに限定された意味を1個だけ説明しないでほしい。「ホストコンピュータ」の解説をしていないe-Wordsも、それはそれで気に入らない。