おまえなんか、訳してやる!

どんどん一言で 訳していくサイトです。 今567語くらい。

 “族”の効用

カタカナ語には、名詞だか動詞だかさえわからない言葉が出てきます。“テイクアウト”もそんなかんじ。日本語だと“持ち帰る”が“持ち帰り”に変化するけれど、英語ではそのまま名詞化してしまい、それを日本語文にもってくるとどっちだかわからなくなるパターン。おま訳ではえんりょしないで名詞と動詞に分けてしまいます。みんな日本で生まれたものには、もっと図々しいはずです。

・チーマー → チーム族
・オタク → オタク族

実際にチーマーだったりオタクだったりした人は、この呼び方がマスコミで使われはじめた時に違和感を感じたと思います。警察につかまった人のコメントが、「〜“などと”供述しています」と放送される時のような、言葉の操作を感じるでしょう。でもよそから見れば、それが“族”であることが言葉の持つ情報の大半なのです。

やから【族】
(1)一門。一族。
(2)(「輩」と書く)連中。やつら。おもに悪い意味で用いる。「不(ふてい)の―」
新辞林 三省堂

「族」をつけると、かなりの情報が伝わります。その言葉をちゃんと知らない人も「あー、族なんだ、もしかすると気をつけないといけないかも」と“正しい”認識・行動に移れるのです。

オタク族でない方は、私にも気をつけた方がいいかもしれません。どこに脳があるのかも見えないのですから(ハリポタ)。足の付け根かもしれませんよ。ちなみに接尾辞が「ラー」なら、あまり気をつける必要はありません。


「族」と「ラー」に関しては、富山県民に愛される名文『菊と蒲鉾』を翻訳された金川欣二富山商船高専教授のサイトに詳しいです。

多民族国家日本〜戦後日本の…族たち」
http://www.toyama-cmt.ac.jp/~kanagawa/language/zoku.html

「ラー族の逆襲〜戦後日本の…族たちII」
http://www.toyama-cmt.ac.jp/~kanagawa/language/razoku.html