おまえなんか、訳してやる!

どんどん一言で 訳していくサイトです。 今567語くらい。

冥王星のような和名がつきますか

掬ってみれば無数の刹那 - 太陽系第十惑星発見! 仮称は Lila?
やー、去年のセドナのときもどうなるかと思ってましたが、今度のは10番目の惑星としていく方向らしいので、新惑星になるんでしょうねほんとに。

惑星ってことになると、やっぱりギリシャ神話系のビッグネームがつくんでしょうか?もしついた場合、それを和訳して周知できる機関はあるのでしょうか?

日本語名の「冥王星」は、冥王星が発見されてすぐ、日本人の野尻抱影が提案した名前である(これに対し、天王星海王星は中国で命名された名前が使われている)。この名称は京都天文台ではすぐに採用されたが、東京天文台(現在の国立天文台)では「プルートー」が用いられた(当時、東京天文台と京都天文台は異なる用語を用いていることがしばしばあった)。中国でも1933年には「冥王星」が使われ始めたが、東京天文台が「冥王星」を採用したのは1943年のことであった。

昭和5年のときも和名の浸透には時間がかかってたんですね。日本の学会が冥王星を採用したのは昭和18年とか。
この「冥王星」の和名をされた野尻抱影氏は英語教師を退職後、編集者となって天文関係の出版も多く手がけられていた当時45歳。

山梨県立甲府中学校教諭(給八級俸)野尻正英(抱影)遠い散歩近い旅 - 文学者の部屋内)

後には五島天文博物館の理事・解説者ともなった方だそうですが、星の和名を熱心に研究し「天文・英文学者」という肩書きを持つという、なんとも新惑星の命名にぴったりの人がいるもんだなあという印象。

しかしPlutonium - 冥王星8(PDF。原子燃料政策研究会機関誌)によりますと、野尻抱影氏に対しプルートの原意は「地中の富める慈善の神である」から冥王星の名にあわない『地王星』にすべきという土橋上智大学学長との論戦があったそうで面白いです。最後は言ったもん勝ちっぽい流れ。(つまりこの論戦が13年?)

さあ今回もどこかが訳名を出して周知されていくのでしょうか。国立天文台?中国政府?たぶんうちもやりますが。

追記(8/15)

後から発見者があのセドナの発見者(冥王星も惑星じゃないと思うと言ってた人)と知って、どういう成り行きになるかと気をもんでいたのですが、そのまま話が進んでいるようです。

惑星としてのネーミングは国際天文学連合IAU)っていうところが権利を持つんですね。発見者に寄せられた電子メールによる人気順は以下のようだったそうです。

  1. Persephone(Proserpina)
  2. Peace(Pax)
  3. Galileo
  4. Xena
  5. Rupert
  6. Titan
  7. Bob
  8. Nibiru
  9. Cerberus
  10. Loki

1位は冥王星のハデスの妻ペルセポネ。さてさて。


(2007年3/24追記)まさか、その後冥王星の方が惑星から降格するとは、この時は想像もしてませんでした。
asahi.com: 冥王星の分類の日本語訳は「準惑星」 日本学術会議小委 - サイエンス
セドナ準惑星になるのでしょうかね。まあ、分かりやすい分類になったと思います。