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はてな百物語 第十六夜『意味不明の供述』

某県警職員のおじさんから聞いた話です。ある男子学生が痴情のもつれで彼女を絞め殺して、交際も秘密だったし、夏休み中で、みんな帰省してる郊外の学生アパートだったので、しばらく気づかれなかったんだそうです。

でもまあ夏は人の少ない地域なので、行方不明者の地域捜索が行われると男がすぐ疑われて、あっさり御用となりました。

逮捕後の供述によると男は彼女を夜中、布団の中で絞め殺して、裏のひまわり畑に埋めたんだそうです。

そうするといろんな怪奇現象が起きたんだそうで、『ひまわり畑から白い手が生えて来て手招きする』だとか、『電気をつけようとしたら暗い電気のカサの上に、こっちを見ている目玉がふたつ乗っていた』だとか、『夜中にカーテンを開けると窓一面をひまわりの花がびっしりおおっていた』だとか、まあ信じられない話ばかりです。

怖くて怖くて布団をかぶったまま表に出られなくなったところに捜査官が来て捕まったという供述は、もうそんな調子でぜんぜんダメだったのですが、けっきょく犯行時に善悪の判断能力はあったとして無期懲役になっているそうです。

一応調べられたのですがひまわり畑にはなにもなくて、捜査官がアパートを訪れたとき男は被害者の死体をかぶるようにして部屋でひとり震えていたそうです。