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 海原雄山のモデルにまつわる考察

言わずとしれた『海原雄山』のモデルと言えば、言わずとしれた『北大路魯山人』とされるわけですが、最近私が気づいたことを結論から述べますと、


海原雄山={ 1/2 ( 貝原益軒 + 大道寺友山 ) + 北大路魯山人} x 1/2


じゃないかと。つまり貝原友山→海原雄山という推理。貝原&友山に関しては両方とも江戸初期に『養生訓』『武道初心集』といったお堅い道徳のベストセラー本を書いた人のようです。本人たちがどうかは知らないけれど、江戸時代の若侍にとってみれば、たぶんこのふたりは説教のカタマリみたいな本を書いてくれた、ありがたくなーい権威だったに違いない。それが『初期雄山』のイメージに重ならないでしょうか。


むかーしドラマで北大路魯山人の伝記みたいなものを見たんですが、もうぜんぜん武士っぽいところはない。遊廓で若い女郎の舌を両手でつかんで、「あんたきれいなベロしてまんなあ・・・このベロやったら、何を食うても旨いやろうなあ・・・神様やなあ・・・」っていう、まあ演出ですけど変態です。見てないですけど映画「美味しんぼ」で三國連太郎が演じた、川に飛び込んで「士郎ぉ〜〜〜!士郎ぉ〜〜〜!」と泣きわめく(らしい)映画版の雄山も、この魯山人路線でしょう。それを見た漫画のファンは、こんなの雄山じゃないと当然思うわけで、そこには武士道が欠落しているわけです。「士郎の奴めが…」日本酒をちびり。♪テテンテンテン、テテンテンテン…(曲:Gipsy Kings)が海原雄山の世界なわけで、中村吉右衛門が演ずるべき役どころなのです。


森崎東監督、私はきみの「釣りバカ日誌S」を水戸偕楽園ツアーの帰りのバスの中で見たよ、素晴らしい映画だった。
雄山と魯山人の差を、きみはあえて無視したのかね、それとも気がつかなかったのかね?