ワントク = one talk = 「同じ言葉の者」が語源
パプアニューギニアには「ワントク」と呼ばれる相互扶助制度があり、男達はワントクの一員であれば衣食住に困ることがないそうです。就業しなくていいのです。
畑を耕さなくても掘ればタロイモやヤムイモが取れます。そうして採集された穀物は、壁も見張りもない、村の穀物置き場に無造作につまれていました。
ワントクは「生活の面倒を見る者が長になる」明解なシステムで、街に住んでもワントクに属していれば食料・金銭・就職などでその恩恵が得られるそうです。逆にお金をもうけた人は仲間を養わなければいけないし、ワントクから閉め出されると生きていけません。
村の男たちは、よく家の中・木陰・村の入り口のベンチなどに座っています。街の男たちは、路上や広場に座っています。本当に何もしていなくて、ひたすら景色を見ているのでこちらが見ると必ず目が会ってしまいます。
ちなみに彼らはかなり強面なので見た目は怖いのですが、特に街には本当に危ない男達もいますけれども、「ハロー」と笑って手を振ればたいがい優しくあいさつしてくれます。私の語学力のなさであまり深くコミュニケーションできなかったのが悔やまれますが、話をすると、目を覗き込めば怖くない、そんな人が多い国です。「恐ろしい仮面や衣装で敵を脅かすのは自分が怖いから」という漫画「ドラゴンヘッド」式の法則です。長い歴史の中で、みんな恐い顔になってしまったのかもしれません。
他には路上で縁日のルーレットみたいなの(手製)を回して、通行人にルールを説明しているおじさんなどがいました。自分で勝手に作った賭け事をよくやっているそうです。みんな賭けは大好きらしいのですが、現金収入が少ないため胴元はたいして儲からず、カジノなどのギャンブル業は成立してないそうです。
「遊ぶと面白いけど親から“あの人と遊んじゃダメ”と言われている近所のおじさん」がいっぱいの街、ポートモレスビー。