<セレブ>………“上流風”おま訳“名士”“お金持ち”引用訳
語源は英語celebrity(セレブリティ=著名人・名士)ですが、<セレブ>が<セレブリティ>とニュアンスの違う言葉であることはご存知の通り。
セレブリティ - Wikipediaも元来の英語ではセレブリティという言葉自体に「金持ち」や「優雅」などの意味合いはない
等々、日本語での意味のおかしさに詳しく触れられていますが、言語学的には新しい言葉が生まれたと考えるべきでしょう。特に<セレブ>は“セレブな”という謎の形容もまかりとおっていますし、完全な新語です。またつい“成金趣味の”などと言い換えたくもなりますが、実際にはそこまで嫌みな意味では用いられません。
私が感じるところでは、人を指す場合の<セレブ>はそれでも“名士”からそんなに遠くない意味合いで使われているように思います。Wikipediaの指摘どおり“著名であるかどうか”が問題にならないことも多く、場合によっては中産階級の人たちぐらいまで含んで言っちゃうこともあるかもしれませんが……。
問題は「セレブな」とか「セレブ犬」みたいな形容で使われる場合の<セレブ>で、これはもうほんとにcelebrityとはほとんど関係ない意味に転じています。一昔前の「ハイソ」「ハイソな(高級な)」とほぼ同じ意味ではないでしょうか。ハイソックスじゃないよ。
ハイソはハイソサエティ=上流階級なので、じかに人を指す言葉ではありませんでした。セレブは人なので、「セレブな」は“上流階級の人風”で、やや表面的な意味合いが強いような気がします。