おまえなんか、訳してやる!

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「量子」という言葉の意味

訳されてても分かりにくい言葉はあるものですけども、「量子」もそのひとつです。説明も分かりにくいのが多いです!

科学ニュースの中などで「量子」という言葉をかいつまんで説明しようとすると、どうしてもその時伝えたい話題に合わせた説明になってしまうのかもしれません。重ねあわせがどうの、粒子と波の性質がどうのという「性質」の話にすぐ移ってしまい、量子という言葉の意味自体を丹念に教えてくれる文章は少ないです。

私ももうひとつ分かっていないところがあるのですが、量子ってこういう意味じゃないかと理解していることを箇条書きしてみました。

  1. 「量子」は自然を観測する上での「最小単位」のこと。
  2. エネルギーの最小単位を「エネルギー量子」、熱の最小単位を「熱量子」、などと言っていく。
  3. だから「量子」と呼ばれるなにか具体的な物質があるわけではない。
  4. 「エネルギー」なんて無限に分割できそうな気がするけど、それは日常的な感覚であって、細かぁぁぁく見ると、実際のエネルギーには最小単位がある。もちろん、想像を絶するほど小さい。
  5. 例えば電荷の最小単位量は「電子1個分の電荷」の量で、その半分とか、その1.5個分の電荷というのは存在しない(数学的に考えることはできるが実際には観測されないし作れない)。量子レベルだと、自然は「とびとびの数値」しか示さないのである。デジタルなのである。
  6. エネルギーと同じように他の物理量、例えば「時間」や「長さ」にも、実は日常では感じられない細かぁーーい最小単位がある。最小単位以下のレベルでは、観測できるような物理現象が成り立たない。言い換えると……私たちに見えるような現象は舞台が狭すぎて起こることができない。
  7. なぜこの宇宙がそういうふうにできているのかはまだ分かっていないけれど、とにかく最小単位がある。ここまで同じことを何回も言っている。
  8. 現象をとびとびの数値の集まりとして扱う力学は、量をどこまでも連続的なものとしてとらえるそれまでの力学(古典力学)と決定的に違っていたので「量子力学」と呼ばれる。
  9. 「量子なんとか」という言葉があれば、それは「量子レベルのなんとか」だと思っていい。量子レベルの現象を扱う力学が「量子力学」、量子力学を利用する物理学全般が「量子物理学」である。
  10. ところで「物質」の最小単位を「素粒子」と言う。「素粒子」は量子力学以外の物理学でも使われる言葉で「それ以上の内部構造を持たない粒子」を指す。一方、「量子」はつねに量子力学を前提に使われる。素粒子は具体的なものを指す言葉で何種類も見つかっているが、(物質の)量子は概念であり、種類はない。

livedoor辞書(デジタル大辞泉)にしても量子 - Wikipediaにしても、量子は「物理量の最小単位」ということなので、これでいいと思うのですが、いろんな読み物を読むとどうも混乱します。

物質(エネルギー)の量子だけが「量子」であるかのような説明が多いと思います。「量子的なふるまいをするもの」を「量子」と呼ぶこともあるように思います。光子や電子が「量子」だと言う文も見かけました。語義からすれば何か具体的なものが量子であるというのはおかしいのでは?

また長さや時間の最小単位については「プランク長」「プランク時間」といったプランク単位としての紹介が多く、「長さ量子」というような表記は見かけません。やはり物質(エネルギー)以外の物理量では「量子」と呼ぶことがはばかられるのでしょうか? それとも単に量子的ふるまいについて語られないから言うケースが無いということでしょうか。

もし詳しい方がいらしたら教えていただきたいところです。学術語としての量子と一般名詞の量子が違ってきちゃってるのかなー。


(追記応答)あー、ナマコをチョウチョ結びにしたアイドルとしての固有名詞的側面ですね……。>"武豊騎手の配偶者としての側面"*